So-net無料ブログ作成

下高野の奥州講の行事を体験させていただきました。 ぼんてん塚 [風習・歴史]


写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。

千葉県八千代市には奥州溝(出羽三山溝)と呼ばれる風習が残っています。
この辺りでは江戸時代に始まった風習です。集落の50歳前後になった長男が十数年に1度の割合で奥州参りを行い集落に戻ってきて記念碑を建てます。その記念日に奥州参りに行った人たちだけで毎年二月と七月に梵天(ぼんでん)飾りを行う風習で、八千代市の下高野では今でも、この風習が続いているのです。右の写真は奥州参りをする時のスタイルです。
上の写真が新しく作ったボンデン(梵天)です。白い梵天が一本とカラフルな梵天が五本で構成されています。私は下高野に住んでいないし奥州参りに行ったことはないけれども、下高野で続いている風習・辻切りに参加させてもらった縁で、今回の奥州溝の年行事に誘ってもらえました。
二月は14日(梵天ハギ/ぼんでんはぎ) と決まっており七月は20日前後の日曜日と決められており、今回は7月22日でした。9時にうかがって梵天を作るところから参加させてもらいました。行事のことをボンデン飾りと呼ぶとこもあるようです。

梵天を作るところから紹介いたします。
先ず準備するものは竹と藁に半紙にタコ糸です。


先端の飾りのために色紙も準備されていました。普通の色紙は片面だけに色がついていますが、両面ともに鮮やかなものを準備する必要がありますが、これは簡単には手に入らないとのことです。これは葬儀屋さんから手に入れられたと教えてもらいました。この辺りの葬儀の風習で、この色紙を使うことがあるそうです。
準備する色紙は黄色、青色、緑色、赤色に紫色です。真白の半紙も準備します。


色紙をカットする型板が2種類です。それにカッターのための台です。


色紙は4分の1にカットします。先端に取り付ける白い紙は半分にカットして二つ折りにします。


色紙は溝にそってカットします。


カットしたものを、このようにおります。


私も入れて5人で色紙を折りました。


先端に取り付ける白の飾りも専用のプラスチックの型板でカットします。昔は段ボールを使っていたそうですがプラスチックにしてからは作業が、はかどるようになったそうです。


先端の飾りは対象に折っていきます。


先端の飾りは大きいものが一つに対して三角形の飾りが三つです。この三角形の飾りは出羽三山を表現しているそうです。出羽三山とは月山と羽黒山と湯殿山のことです。奥州参りの時はこの三山登山も含まれています。


竹の両側は突き刺さるように鋭くカットします。


こちらは先端に取り付ける飾り用の台座を作るメンバーです。


ワラを束ねて台座を作ります。


台座が完成しました。胴に巻かれた2本のタコ糸に色紙を挟みます。


台座に色紙を取り付けているところです。


色紙をつけた台座を竹の先端に突き刺すと梵天の完成です。


完成した梵天を軽トラックに積んでボンデン塚(梵天塚)に持って行きます。その時に奥州参りを行った人が全員一緒に行きます。


こちらがボンデン塚(梵天塚)です。建てられている碑は奥州参りに行った参拝記念碑(三山碑)で参加した人の名前と年月日が刻まれています。
一番古い三山塚(右の写真)は中心に立っている大きな木の右脇にありました。
寛政六申寅年と書かれていることから1794年ということになり今から218年前の参拝記念碑ということになります。
一番新しい三山塚のは右手前の大きい碑です。奥州参りが最も最近行われたのが昭和59年(1985年)なので27年前ということになります。この碑には今回の参加者の名前が刻まれていました。並んでいる三山碑の参拝日か下記のとおりです。
  寛政 6年       1794年
  文久 3年 3月吉日   1863年
  大正 7年 7月20日  1926年
  昭和15年 7月21日  1940年
  昭和28年 7月25日  1953年
  昭和34年 7月13日  1959年
  昭和44年 7月26日  1969年
  昭和51年 7月14日  1976年
  昭和59年 7月15日  1984年
この参拝記念碑を建てる行事をイシタテ(石建て)と言われています。立っている古いボンデン(飾り)は半年前(2012年2月14日)のものです。先ずは皆でボンデン塚の周りを掃除をしました。


古い梵天(ボンデン)を抜いて新しいものに交換します。クリックすると記念石碑を表示色紙の梵天を真中にしてそれを色紙の梵天4本で四角く囲みます。白い梵天は少し離れて北西方向に建てます。ボンデン塚の大きな木は「すだじい」で、昭和51年2月24日に八千代市の保存樹木に指定されている立派な木でした。右の写真は1985年の記念碑を建てた時の記念写真です。つまり今回の参加者の方々の写真です。ぼんてん塚は不思議な世界でした。
クリックすると記念石碑を表示

梵天を全て交換したところでタコ糸で6本の梵天をつなぎます。先ずは真中の梵天にタコ糸を結び、次に北西の方向の梵天に巻きつけ時計回りに四本の梵天をつなぎ最後に白い梵天にタコ糸を回します。プレーボタンをクリックすると動画が見れます。


これで完成です。こちらの写真はクリックすると拡大するよう設定いたしました。完成したところで次の手順で拝辞(おがむことば)を全員で奏(そう)します。
 ① 一拝、二拍手、二拝
 ② 拝辞を奏す。
 ③ 一拝、二拍手、二拝
拝辞は次の通りです。月山と羽黒山と湯殿山のことを言っているようです。
 あやにあやにくしくたふと月のみ山の上の御前を拝みまつる
 あやにあやにくしくたふと羽黒のみ山の上の御前を拝みまつる
 あやにあやにくしくたふと湯殿のみ山の上の御前を拝みまつる
               御前 : みまえ   拝 : おろが
クリックすると拡大

別の角度の写真も掲載します。こちらも写真はクリックすると拡大するよう設定いたしました。写真は一番手前のボンデン飾りにピントを合わせております。
右に6本の梵天飾りの配置を図式化しました。上方向が北でボンデン塚があります。白のボンデンは北西方向に配置します。
平成20年の八千代地郷土博物館の資料によると出羽三山参拝記念碑(三山碑)が建てられている場所は34ケ所で合計で193基の三山碑があるそうです。
下高野のボンデン塚には9基の三山碑がありますが、今年、奥州参りが行われたとのことなので近いうちに10基になるのでしょうね。
クリックすると拡大

一週間後(2012年7月29日)のボンデンの状況です。作った時に比べると少しシナッとしてきましたが雨が降っていないこともあり、まだ鮮やか姿を見せてくれていました。


八千代市の下高野が緑色のマークで赤色マークが出羽三山の位置です。徒歩で行く江戸時代は大変なことだったと思います。約2ケ月間の日程だったそうです。

より大きな地図で 出羽三山 を表示

nice!(117)  コメント(18)  トラックバック(7) 

nice! 117

コメント 18

kazu

SORIさん、こんばんは。

今日はご苦労様でした。
詳しく編集されていて、素晴らしい奥州講の謂れも分かっていいですね。

今年も、私たちの次の世代の人たちが9名先週奥州参りに行ってきました。多分年内に石建てを行って、みんなの仲間入りをするようになります。
来年2月の梵天祭りから、この行事に参加されると思います。若い人たちにこの行事が次々と引き継がれて行くことを願っております。

ありがとうございました。
by kazu (2012-07-22 19:31) 

SORI

kazuさん こんばんは
素晴らしい行事に誘っていただき貴重な体験をすることが出来ました。ありがとうございます。今年、若い方が奥州参りに行かれたということで、この風習が受け継がれていくことでしょうね。素晴らしいことだと思います。突然に初対面私が参加して戸惑われてた方もおられると思いますが、大変に楽しかったとお伝え願います。
いただいたトウモロコシを先ほど食べましたが大変に甘くておいしかったです。
by SORI (2012-07-22 19:41) 

kazu

SORIさん、こんばんは。

SORIさんの素晴らしく編集されたブログは、皆に伝えておきますね。
やはり取れたてのものは、美味しいかったでしょうか、畑から直行便のお届けでした。
by kazu (2012-07-22 20:47) 

nmzk

奥州溝(出羽三山溝)の貴重な記録を有り難うございます。
by nmzk (2012-07-22 21:45) 

SORI

kazuさん こんばんは
いつも新鮮でおいしい野菜が食べれて羨ましいです。 
by SORI (2012-07-22 22:19) 

SORI

nmzkさん こんばんは
紹介出来てよかったです。私も知らないことばかりで、いろんなことを教えてもらいました。

by SORI (2012-07-22 22:21) 

ひでぷに

千葉あたりでも、昔からの風習って残っているんですね。
ちょっと驚きました。
by ひでぷに (2012-07-23 08:04) 

がり

貴重な体験ができましたね。
カラフルな梵天がアジア的!? ^^
by がり (2012-07-23 14:06) 

桜貝の想い出

何だか拝見していると清々しい気持ちになれました。
丁寧なご紹介をいつもありがとうございます。
by 桜貝の想い出 (2012-07-23 17:26) 

SORI

ひでぷにさん こんにちは
このような風習は一度でも途切れるとそこで終わってしまうことを考えるとすごいことだと思います。27年ぶりに今年、奥州参りに次の世代の方が行かれたとのことなので次の世代に受け継がれた証拠ですね。
by SORI (2012-07-23 21:00) 

SORI

がりさん こんにちは
神道の世界で、このようにカラフルなものがあるとは知りませんでした。チベットではカラフルな旗がありましたが、そちらはチベット仏教の世界でした。
by SORI (2012-07-23 21:04) 

SORI

桜貝の想い出さん こんばんは
白いのは作らせてもええませんでしたが色紙は折りました。最後は俵に取り付けて竹の月に突き刺して1本完成させました。
by SORI (2012-07-23 21:07) 

まほ

伝統的な行事を継承するのは、たいへんなことですよね。
SORIさんも、良い体験をされましたね。
by まほ (2012-07-24 02:38) 

SORI

まほさん おはようございます。
こちらでは奥州講(ぼんでん祭り)以外にも、すでに紹介した庚申講や辻切りがあります。それ以外にも天神備社、不動備社、初午備社、千葉寺大師参り、未祭り、宮なぎ、弁天備社、菅原神社祭礼などがあると聞いています。皆が興味を持つことでいつまでも続いてほしいと思います。
by SORI (2012-07-24 04:53) 

みんこ

SORIさんて、お仕事もお忙しいのに、何事にも積極的で
素晴らしいですね。なんていうか、その生き方に感動します。
by みんこ (2012-07-25 17:27) 

SORI

みんこさん こんにちは
このような場に誘われたおかげて体験できました。おそらく一生に一回の経験なので、このような体験が出来るのであれば、すべてに優先して参加ですね。
by SORI (2012-07-25 21:10) 

youzi

梵天、一見簡単そうな感じもしますが、
細かい作業がありますね。
色紙にも一つ一つ、意味がありそうですね。
by youzi (2012-08-12 21:30) 

SORI

youziさん こんばんは
年に2回しか作らないので忘れないで作れるのがすごいです。それも江戸時代から続けてこられたのも素晴らしいことです。
三山碑のあるところを回りましたが、廻った範囲ではありますが梵天飾りがあったのは下高野と上高野だけでした。
by SORI (2012-08-12 22:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 7