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送電線取替工事 新旧の送電線の交換方法 [送電線]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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2016年の12月から50万ボルト超々高圧送電線である房総線で送電線の取替工事が始まりました。ただし、送電線取替工事以前から2基(30鉄塔、31鉄塔)の建替え工事が行われていました。送電線の取替工事に気が付いて初めて写真を撮ったのが2016年12月16日でした。その写真が右下の2枚の写真で12月18日の記事「みのむし軍団 高圧送電線補修のプロフェッショナル」に掲載させていただきました。送電線の取替工事の手順は概ね次の通りです。これを6回繰り返します。上の写真は2017年3月11日の朝に撮ったものです。送電線そのものの取替は6本とも完了し右側の1番下段の最後の工事(⑬~⑰)が残っているのみです。人が鉄塔間で送電線を渡るのが①②⑥⑬⑭⑮の6回なので計36回ほど鉄塔間を人が渡るのです。
右下の写真は①のスパイラルロッドの取外し作業です。上の①~⑯の手順の中で気になるのが⑦と⑩の新旧の送電線の交換作業です。送電線の場所には住宅地もあることから送電線間では送電線を地上に下すことが出来ないのです。そのような条件で古い送電線をどのように外して、新しい送電線をどのように取り付けるのかを知りたかったわけです。本記事ではその作業を紹介したいと思います。①~③ ⑭~⑰は左右それぞれまとめて行われます。本記事「新旧の送電線の交換方法」での紹介は赤色文字の作業です。着色番号( or )はすでに過去記事で紹介した作業です。YouTube登録動画はこちら→ポチッ
クリックすると拡大 送電線取替工事手順
  スパイラルロッドの取外し
 ② 4導体用スペーサーの取外し
 ③ ジャンパ線取外し & 碍子の取替
 ④ 滑車の取付 
 ⑤ 2本送電線の連続化
 ⑥ 吊り下げ金具の取付
 ⑦ 4本の送電線の内2本の新旧交換
クリックすると拡大 ⑧ 2本送電線の連続化
 ⑨ 滑車への送電線かけ換え
 ⑩ 4本の送電線の内2本の新旧交換
 ⑪ 吊り下げ金具の取外し
 ⑫ 碍子に送電線取り付け
 ⑬ 滑車の取外し
 ⑭ 4導体用スペーサーの取付
 ⑮ スパイラルロッドの取付
 ⑯ 点検(スパイラルロッドとスペーサーの取付状況の確認?)
 ⑰ ジャンパ線の設置(プレハブジャンパを使用)

送電線の交換は下記の地図の24鉄塔から32鉄塔までの3770m(━━)の古い送電線を一気に新しい送電線に交換します。地図上のはいずれも鉄塔ですが、今回の工事の中で24鉄塔( )と32鉄塔( )が特別な役割のある鉄塔なのです。 から新しい送電線を送出し、から古い送電線を下すのです。地図内の30鉄塔と31鉄塔の高さは建て替え前の古い数値です。冒頭の写真は手前から27鉄塔、26鉄塔、25鉄塔です。
この地図の表示されている範囲で標高(海抜)の一番高い地面に建てられているのが25鉄塔です。一番低い地面に建てられているのが32鉄塔です。
 送電線交換・始点鉄塔 24鉄塔
 送電線交換・終点鉄塔 32鉄塔
 シルバー塗装鉄塔
 赤白塗装鉄塔
 ━━ 送電線一括交換部分 3770m  房総線鉄塔の高さデーター → ポチッ



送電線交換・始点鉄塔 24鉄塔
この場所から新しい送電線が送り出されます。見えている鉄塔は24鉄塔です。写真の一番左端に新しい送電線が巻かれた黄色いドラムが置かれています。鉄塔の高さは目測で55m前後です。
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先ずは、この動画を見てもらうと新しい送電線が送り出されている様子を見ることが出来ます。送電線が巻き付けられたドラムから牽引機で引っ張りだされています。新しい送電線の先端は古い送電線の一番後ろににつながれていています。是非ともプレーボタン( )をクリックしてみてください。


鉄塔には大きな滑車があります。送電線はこの大型滑車を通って送り出されていきます。この大型滑車の正式名はクローラー金車だそうです。YouToubにPirokiさんからコメントをいただきました。
動画の最初は左側の送電線の接続部分が現れます。2つの接続部分がが通過した後、右の送電線の接続部分が現れます。その次に別の角度から見た動画になります。2つ接続部は耐張型鉄塔部分に取り付けられるジャンパー線部分と思われます。このことから、正確に切断した送電線をカップリングで接続して送り出していることがわかります。


写真でも作業現場の全景を紹介します。
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これが新しい送電線が巻き付けられたドラムです。
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これは送電線の牽引機のような機械だと思われます。送電線がドラムに4回巻き付けられています。この牽引機は正式には延線機と呼ばれています。
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牽引機(延線機)の部分を拡大いたしました。この写真だと送電線が4回巻き付けられていることもよくわかると思います。
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鉄塔に取り付けられた滑車(クローラー金車)です。円形ではないのでガイドローラーはチェーンかキャタピラ(クローラー)のような構造のものだと思われます。キャタピラはキャタピラ社のクローラーの商品名です。
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交換作業が始まる寸前に作業現場に来てみました。畑を借りて広い仮設の作業場を作っていました。正月明けとなる2017年1月5日の写真です。
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すでに新しい送電線が持ち込まれていました。
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機材や新しい送電線を持ち込むために畑に鉄板を引いて仮設の大きな道路も作られていました。見えている鉄塔は北側に建っている23鉄塔です。
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見学している時に、大型トラックが新しい送電線を持ち込んできました。距離が3.77Kmとすると必要長さは約90km(=3.77×4×6)になります。
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送電線交換・終点鉄塔 32鉄塔
24鉄塔から送り出される新しい送電線を引っ張りながら古い送電線を下すのが、写真の中の一番右の32鉄塔です。32鉄塔の周りは住宅地で、上の24鉄塔のように広い作業スペースは無いように思われます。そのために黄色の丸で囲ったところに取り付けられている大型の滑車から真下に引き下ろしていました。真下より若干戻る方向に引っ張っていました。写真をクリックすると拡大するので、下に降りている送電線が判ると思います。
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先ずは、動画を見てもらうと作業内容がわかると思います。地上にも大型の滑車が取り付けられています。


こちらが鉄塔に取り付けられている大型の滑車(クローラー金車)です。前日暗かったのですが接続部分が滑車(クローラー金車)を通過するところの動画も撮れました。→ポチッ


写真でも紹介していきます。鉄塔に取り付けられた大型滑車(クローラー金車)です。大型滑車(クローラー金車)が2個取り付けられています。
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こちらが地上の大型滑車(クローラー金車)です。人と比べると大きさが判ると思います。
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これは巻取り用のドラムではなく送電線の牽引機(延線機)のようです。新しい送電線をを送出すところに設置されていた牽引機と同じタイプで、やはり送電線が4回巻き付けられていました。送り出すところの牽引機(延線機)との間で引き合いながら移動していくようです。この牽引機の後ろに小さな巻取りドラムがあります。
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クリックすると拡大上の写真では送電線が牽引機(延線機)のドラムに4回巻き付けられているのが分かりにくいので、写真を拡大いたしました。房総線が出来た1966年の当初から使われていたとしたら50年以上経過していることになります。右の写真の新しい送電線と比べると色の違いが明らかです。
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これが古い送電線の巻取りドラムです。
作業スペースが小さいのでドラムも小さいのだと思います。巻き取った古い送電線をトラックに載せているところです。
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古い送電線を巻き取ってトラックに乗せるまでの写真です。




24鉄塔( )~32鉄塔( )間
送電線用鉄塔には大別して耐張型鉄塔と懸垂型鉄塔があります。 耐張型鉄塔は電線の張力を鉄塔で受けるために、碍子(ガイシ)が水平に取り付けられています。一方、懸垂型鉄塔は重力と風の水平力を鉄塔で受けるタイプで、碍子はV型に取り付けられて送電線を吊り下げています。この2種類の鉄塔で、交換する送電線を移動させる滑車の取付方が違ってきます。耐張型鉄塔が使われるのは水平および垂直方向で方向転換がある場合に使われます。送電線が水平で鉄塔が一直線に並んでいる時に懸垂型鉄塔を使うことが出来ます。25鉄塔と30鉄塔と31鉄塔は前後の鉄塔と直線で並んでいるけれども高低差が大きいので耐張型鉄塔が使われていると想像しております。両方の写真とも左側の3段が新しくなり、右側が古いままの時に撮った写真です。2016年に建替えられた30鉄塔と31鉄塔は建替え前は懸垂型鉄塔でした。
 耐張型鉄塔 24鉄塔 25鉄塔 28鉄塔 30鉄塔 31鉄塔 32鉄塔
 懸垂型鉄塔 26鉄塔 27鉄塔 29鉄塔
耐張型鉄塔(水平碍子)        懸垂型鉄塔(V型碍子)
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クリックすると拡大今回の送電線は50万ボルトの電圧が使われていることから4本の送電線を正方形に配置した4導体送電線です。4本なのに2本づつ交換するのは4本の内2本で吊り上げてやらないと垂れてしまうからです。特に鉄塔間のスパンは一定ではないため3770mをフリーにしてしまうとスパンが長いところは特に大きく垂れてしまうと思われます。今回は400mmレンズで動画も撮ったので右の写真のように三脚も使いました。


これが交換する送電線を吊り下げる金具です。真ん中にロープが取り付けられているのは交換が終わったときりこの金具を鉄塔から手繰り寄せて回収するためです。このロープのおかげで回収のために人が送電線を渡らなくてもいいのです。ただし設置は人が行うと思われます。


上の動画は画面を拡大しないと送電線が動いていることが分かりにくいと思います。この動画には接続部分が写っているのでわかると思います。


吊り下げ金具を鉄塔から手繰り寄せている動画です。



懸垂型鉄塔(V型碍子) の部分の送電線交換の仕組みを紹介します。
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滑車は4個取り付けられます。碍子がV型であることがよく分かってもらえると思います。送電線の工具である今回の滑車は「金車」と呼ばれています。金車の詳しい説明はこちらにありました。→ポチッ
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その4個の滑車(金車)の部分を拡大いたしました。
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滑車(金車)は4個ですが、2個づつ動きます。この動画では外側の2個が動いていますが、別の時は内側の2個が動きます。



耐張型鉄塔(碍子が水平)の部分の送電線交換の仕組みを紹介します。写真は左側のみ新しい送電線に交換した時点で撮ったものです。
水平に取り付けられた碍子の前後からぶら下っている線が、ジャンパ線です、左側が新しく交換されたパイプ式プレハブジャンパで、右側が従来のジャンパ線です。今回の工事で碍子のも新しいタイプに交換されます。左側が碍子が2列並んだⅡ吊型碍子です。右側が交換前の碍子が3列並んだⅢ吊型碍子です。碍子の強度が上がったので2本で耐えられるようになったか、設計荷重の見直しが行われたかどちらかだと思います。
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耐張型鉄塔では滑車(金車)は2個取り付けられます。ここに2本の送電線が通されます。残りの2本は碍子に固定されるので滑車(金車)は4個必要ありません。最初の2本の送電線が新しくなると入れ替えます。古い送電線を滑車に通して、新しい送電線は碍子に固定します。
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動画を見てもらうとわかってもらえると思います。この動画には人が写っているので大きさもわかると思います。


別の時に撮った動画です。



32鉄塔( )あたりから見た31鉄塔、30鉄塔、29鉄塔、28鉄塔です。左側の送電線の真下から写真を撮ってみると、鉄塔と送電線の接点が一直線に並んでいることから、鉄塔も直線上に並んでいることが分かってもらえると思います。右側の一番下が交換中の送電線です。
クリックすると拡大2017年3月9日午前の写真です。昼までに交換が終了いたしました。鉄塔群と建物間に小さく見える鉄塔は、実はこのあたりで一番高い27鉄塔で、高さは121mあります。建物か林の陰に26鉄塔があるものと思われます。
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上の写真を拡大いたしました。クリックするとさらに拡大します。交換中(右側の最下段)の送電線がよくわかると思います。
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30鉄塔と31鉄塔は2016年に建替えられたことを上で記載させてもらいました。両方ともに高くなりましたが、特に31鉄塔は差(64m→約100m)が大きいです。建替え前(左)と建替え後(右)を紹介します。鉄塔は両方ともに手前から31鉄塔、30鉄塔、29鉄塔です。建替え前の写真はネットから転用させていただきました。建替え後の鉄塔の高さは目測です。建替え方法は、両方ともに右側(東側)に仮設の鉄塔を建てて、元の場所に今の鉄塔を建てましたが、送電線の取替工事と同時進行の時期があったかめか(?)、複雑な建替えをしていました。右側の現在の写真をクリックして拡大すると、30鉄塔に関しては解体中の仮設の鉄塔の一部が残っていることが分かってもらえると思います。
 建替え前(左) シルバー塗装 懸垂型鉄塔(V型碍子) 高さ:75m/64m
 建替え後(右) 赤白塗装   耐張型鉄塔(水平碍子) 高さ:約100m
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さらに驚いたことに30鉄塔と31鉄塔の内側には古い鉄塔が入っています。アーム部分のみ解体して塔の部分は残したものと思われます。クリックするとトップまでが写った写真を表示します。
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本鉄塔は今回の送電線取替工事の最も南側の32鉄塔です。
この鉄塔の碍子に注目してください。6ケ所ともに奥側(北側)が新しく交換された2列のⅡ吊型碍子で手前側(南側)が古いままの3列のⅢ吊型碍子であることが分かってもらえると思います。つまり32鉄塔より南側はまだ6ケ所とも古いままなのです。当然ですが、送電線も古いままと思われることから、今後に工事が行われると推測されます。
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これが、32鉄塔より南側の送電線です。1番左側の鉄塔が32鉄塔で、そこから右に33鉄塔、34鉄塔、35鉄塔、36鉄塔、37鉄塔、38鉄塔、39鉄塔、40鉄塔、41鉄塔、42鉄塔、43鉄塔までみることが出来ます。つまり12基の鉄塔が見ることが出来る場所でもあります。32鉄塔から43鉄塔までの距離は4.28kmです。撮ったのは2017年3月7日の早朝(7時17分)で曇っていたため、晴れた日に撮りなおして写真を差し替えるつもりです。
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